パッシブとは?
ここ数年、パッシブという言葉が聞かれるようになってきました。
クームでも見学会で、「パッシブデザイン」や「パッシブ換気」などの言葉を使っていますが…。
皆様「パッシブって普通のと何が違うの?」「なんかすごいんだろうけど、全然わからない…」と感じていませんか?
正直、今の住宅業界はパッシブという言葉であふれています。
しかも、ややこしいことに、パッシブ○○の○○が省略されていることで、いろんな概念がごちゃごちゃになりやすいんです…(; ・` д・´ )
ということで、今回は、紛らわしいパッシブ○○を説明します!
ざっと簡単に言うと…
1、パッシブという言葉:passive、受動的という意味
2、パッシブデザイン :機械設備に頼らず、建築的な工夫で自然エネルギーを利用して快適な環境を作るデザイン手法
3、パッシブハウス :要注意!手法ではなく、基準あるいはその基準の認定をうけた家のこと
4、パッシブ換気 :機械を使わず、自然の力で計画換気を実現する手法
もっと詳しく!という方は続きをどうぞ!('ω')ノ
改めて、詳しくご説明していきます。
■1、パッシブという言葉
passiveの反対はactive(アクティブ)、積極的という意味です。
言葉だけだと性格診断でよく見るな、思われるかもしれませんが、建物となると意味合いが変わります。
パッシブ…自然エネルギーを建築的な工夫で利用して、設備に頼らず快適な環境をつくること。
太陽光は暖かいですが、そのまま暖房として使うことだったり、通風に優れた土地なら開口を大きくして扇風機代わりに使ったり。建物のデザインを工夫して、エネルギーをその形のまま使います。
アクティブ…自然エネルギーを“機械”を使って、違う形・エネルギーに変換して快適さをつくること。
いまいちピンとこないですが、ポイントは機械の利用。太陽光発電なら光を電気に変換、太陽温水器なら効率よくお湯を作り出します。これらは装置がなければ大量に変換できないですよね。
■2、パッシブデザイン
1であった、パッシブの概念を実現する建物デザイン・手法全般を指します。
パッシブデザインの中にそれぞれ、パッシブソーラー(太陽=日射熱を利用して暖房しよう!)、パッシブクーリング(太陽の熱を入れない、通風で排熱、気化熱・地中熱など機械以外で涼しくなる方法を使う)などがあります。
自然にあるエネルギーをうまく使うので、省エネなお家にもなります(*'ω'*)
■3、パッシブハウス
これだけ毛色が違います。
パッシブハウスとは手法ではなく、省エネ基準の名前であり、同時にその条件を満たした家を指します。
特定の技術・機能に特化したシステムではなく、建物性能をとことん上げて、熱交換換気を使うことで暖かさと涼しさを保持するのが基本的な考えです。
積極的に冷暖房を使わない、人為的に作り出したエネルギー(主に電気)も極力使わないという意味合いでのパッシブです。
ドイツで作られた性能基準で、家電も含めてエネルギーの消費量に規定があり、原則オール電化では達成できません。
■4、パッシブ換気
北海道生まれの、機械を使わない換気手法です。計画自然換気とも言います。
暖房により自然におきる対流と、室内・室外との温度差を使って全館換気をします。
特徴として、十分な断熱・気密性能がないと採用できません。
機械を使わない単純な構造なので、壊れない&お掃除の負担がとても少ない&送風の騒音がありません。
実際に建ててじっくり体感した社長曰く、機械換気で家の中が負圧にならないから耳鳴りがしない!とほくほくしています(・∀・) (負圧…ピンと来ない方は、飛行機の中にいる感じをイメージしてください!)
概念としては↓のようになってます。
クームでやっているパッシブ換気は、ガス暖房を使っています。全国的にはエアコンが多いようですが、勉強させていただいた北海道の山本亜耕先生にならい、ガスを使用しています。
最近では西方先生という、全国にとても有名な建築士さんがパッシブ換気の自邸を建てられたことで、有名になりましたよ!
今回はこんな所でしょうか?
他にも細かい工夫があり後ほどご紹介する予定ですが、やはり見学会にお越しいただいて実際に体感していただきたいです!
都合がつかず、見学会当日は難しそう…(´・ω・`)という方は、事前にご連絡いただければ個別のご案内もできるかもしれません。まずは一度体感してみてくださいね(^^♪