いつも立ち戻る、クームの原点=想い
「手がわるくなる」。職人の世界では、そんな言葉があります。それは、いくら腕のいい職人でも質の低い仕事をしていると、技が落ちてレベルが下がる、という意味です。
私はもともと大工でした。駆け出しの頃は下請けでしたが、ちゃんとした仕事をしようとしても「そこまでやることはない」と言われる場面があり、やるせない思いを抱いたものです。お客様にとっては一生に一度かもしれない家づくりなのに、です。同時に、このままでは「手がわるくなる」と思いました。そうして「大工として当たり前のことを、当たり前にきちんと仕事をしたい」と考えるようになりました。それがお客様に喜んでもらうことにもつながる。そう信じて「妥協をしない家づくり」を掲げ、クームを設立したのです。
そんな元大工としてのこだわりとともに、もうひとつクーム設立の原動力となっているのは「地元・地域に貢献したい」という想いです。時代はどんどん経済効率が優先され、地方は取り残される傾向が強くなっています。ご近所のおじいちゃんおばあちゃんが「家をちょっと直したい」と思っても、相談できるところがなくなっていますし、つくり手のほうも高齢化が進んで大工さんが居なくなっています。生まれ育ったところがそうなるのは、寂しいものです。「地元の家を、地元の大工が、きちんと作る」。その家づくりが支持されることで若い大工も増え、いい仕事が増えていく。この好循環を生み出し、続けていきたい。それが地元・地域への貢献になると、強く信じているんです。
代表取締役 沢目 安弘